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Monthly Report! topics & recommend! vol.34【『篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN』内覧会レポート/福岡アジア美術館】

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Monthly Report

青春のアイドルたちがカムバック!!


2016年12月18日(日)よりアジア美術館で開催中の『篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN』。その開催初日、写真家・篠山紀信氏ご本人が来場し、会場を巡りながら自ら作品について語ってくださいました。その模様をレポートしながら、写真展の見どころや撮影秘話などもお届けします!


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会場の入り口には、ジョンレノンが亡くなる約3か月前に撮影したという写真「ジョン・レノン オノ・ヨーコ 1980年」が待っています。

 

26会場目となる福岡開催

2012年の開幕以来、全国各地を巡回し、累計75万人を動員してきたこの写真展。九州では熊本、沖縄、大分、長崎、宮崎で開催されてきましたが、ご本人も「待ちに待った!」と仰る、満を持しての福岡開催となります。これまで50余年にわたって撮影してきた膨大な作品の中から、アイドルや俳優などの著名人、歌舞伎といった伝統芸能界のスターたち、時に社会現象まで巻き起こした“あの有名人”のヌード作品など篠山さんが自ら厳選した100点以上が展示されています。

「写真展といえば、額に入って飾られたものを見て回るというものが多いですが、これは違います。美術館という巨大な空間の中に巨大な写真が展示され、インスタレーションを楽しむという感覚なのです。だから鑑賞ではなく、ぜひ体感していただきたい」と篠山さん。期待を高めて会場に足を踏み入れました。

 
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当日の早朝に福岡入りしたという篠山紀信さん。開会式でも軽快なトークで場を和ませてくれました。

 

「GOD」(鬼籍に入られた人々)

会場は5つのセクションに分かれており、最初の部屋は「GOD」(鬼籍に入られた人々)。きんさんぎんさん、三島由紀夫、美空ひばり、大原麗子など、すでにこの世を去られた方々の姿が並びます。足を一歩踏み入れると、予想をはるかに超える大きさの、顔、顔、顔!! 篠山さんの言葉通り、圧倒的な迫力を体感できます。

それぞれの作品には撮影背景や、ご本人の個性が伝わるストーリーがあります。たとえば、その豪快さと奔放さで愛された20世紀の映画スター・勝新太郎。この写真は、彼が逮捕された後、活動を再開する際に撮られたものなのだそう。代表作でもある映画『座頭市』の格好で、場所は、当時東京を代表する建物だった新宿の都庁の前。篠山さん曰く「勝さんが突然下駄を飛ばして、思わずシャッターを押した瞬間です。ちなみにこの写真のタイトルは『座頭市 出所』なんですよ(笑)。とても思い出深い写真のひとつですね」。


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勝新太郎のキャラクターがよく伝わる作品。

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「大原麗子 1988年」。美しさと神々しさが印象的。ご本人の遺影としても使われたそうです。

 

「STAR」(すべての人々に知られる有名人)

続いての部屋には、そのテーマの通り、錚々たる有名人の姿が待っていました。舟木一夫からAKB48まで、篠山さんの写真家人生の長さを物語る多彩な顔触れ。実はこの写真展、開催地出身の有名人の写真を取り入れるという試みがあるのですが、そこは多くの有名人を輩出している福岡! タモリ、松田聖子、妻夫木聡、蒼井優など、今も第一線で活躍する方々が登場しています。

 そして部屋の壁一面にひと際大きく引き伸ばされた、大スター・山口百恵の写真! 「この時すでに彼女は大人気で、スケジュールを抑えるのが大変だったんですが、3誌分を同日に撮るということで奇跡的に可能になったのです。山中湖での撮影で、これは夕方頃。よく周りから『どうやったらこんな表情が撮れるの』と聞かれたのですが、きっと彼女は単に疲れていただけだと思うんだよね(笑)」と篠山さん。確かにほかでは見たことのない、憂いを帯びたカリスマ・山口百恵の表情。きっと、篠山さんへの絶対の信頼感により引き出された瞬間だったのではないでしょうか。


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ボートに横たわる山口百恵。「GORO」という雑誌に掲載されたものです。

 


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「松田聖子 2005年」。年齢をまったく感じさせない永遠のアイドル、変わらないみずみずしさに驚きます。

 

「SPECTACLE」(私たちを異次元に連れ出す夢の世界)

この部屋には、非日常の世界が広がります。特大パノラマを使った独自の技法「シノラマ」を駆使した、フィクションな世界に遊ぶ、女優・後藤久美子。これは80年代によく使っていた技法なのだそう。

 そして、歌舞伎の舞台の瞬間を切り取った作品たち。役者たちの真剣な表情とその美しさに思わず息をのみます。浮世絵を意識したというこれらの写真は、デジタルで撮ったものなのだそうです。「細かい表情を撮るためには1000分の1くらいのシャッター速度が必要で、そういうことができるのはデジタルの技術があってこそ。『写真はフィルムでないと』という方もいらっしゃるし、それはそれでいいのですが、僕の考えでは、現代を撮るなら現代のカメラであっていいと思っています」。


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写真の中には4人の後藤久美子さんがいます。ぜひ会場で探してみてください!

 

「BODY」(裸の肉体―美とエロスと闘い)

続いては、舞踏家ウラジーミル・マラーホフ、大相撲、樋口可南子、そして宮沢りえ…人間の肉体と真摯に向き合った作品が並ぶ部屋へ。そうです、世間に衝撃を走らせた宮沢りえの写真集「サンタフェ」を手掛けたのも篠山さんでした。

なぜアメリカのサンタフェを撮影地に選んだのかについて篠山さんは、「サンタフェは、ジョージア・オキーフという女流画家が愛した芸術の町。ご主人は写真家だったのですが、学生の頃に彼らの作品を見て、サンタフェはモノを作る聖地だと思っていました。そして宮沢りえさんは、僕にとって聖女だった。だから、きっとこの場所がふさわしいと思いました」と説明。なるほど、撮影地がそのまま写真集のタイトルになるほど、彼女の魅力を最大限に引き出してくれた場所だったのですね。


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話題をさらった作品たちに、当時の思い出も鮮明によみがえります。

 

「ACCIDENTS」(2011年3月11日―東日本大震災で被災された人々の肖像)

最後の部屋にはこれまでとは違う、一般の人々の姿が映し出されています。東日本大震災によって被災し、“普通ではない理不尽”を体験した方々のポートレートです。

震災が起こった時、東京にいた篠山さん。「その時代に起こったコト・ヒト・モノ、そういうものにいち早く駆けつけて、一番いいカットをいいタイミングで撮ること。僕は写真家として、それが一番いい写真だと思っています。つまり、時代の複写。だから写真家としてどうにかこの大震災についても残したいと思ったのですが、最初はなかなか行く気になれなかったんです。でも知り合いの編集者が『とにかく行ってみて、それから考えればいいじゃないですか』と背中を押してくれました。ちょうど発生から60日後くらいのことです」。

篠山さんは、被災者の方の心境に配慮しながらシャッターを押し続けたそうです。60日というのは、失ったものの大きさに打ちひしがれる気持ちと、前をむいて頑張ろうという気持ち、これらが同居し、心の葛藤が生まれる特別な時期なのだそう。写真には、その時の複雑な心境が捉えられています。


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「大友瑠斗(9)大友乃愛(7)名取市 2011年」

 

まさに「生きている」展覧会

5つの部屋それぞれで、様々な世界を体験する写真展。実は、作品には人物名や解説が一切添えられていません。個々の感性によって受け止め方が変化するのも魅力なのではないでしょうか。

その後インタビューに応じてくださった篠山さん。今撮りたいと思う人はいるか、という質問に対し、「僕は仕事として写真を撮っているので、依頼されて撮影をしています。こいつを売り出したい、こいつを篠山に撮らせたら面白いだろうということですよね。つまり僕には人事権がない(笑)。でもこれが結果として、時代を映し出すことになっているわけです。だから、格好良く言えば『時代に聞いて』ということですね」と。

確かに、それぞれの作品に対峙すると、その当時のいろいろなことが思い出され、まるで時代体験をしているかのような気分になることができます。

「これは鑑賞して楽しむ写真たちではなく、自分がその空間の中で体感をする、生きている展覧会です。だからこそ、とにかく会場で体感してみてほしいと思っています」。篠山さんがそう進めるように、現実とも非現実とも取れる、空間力と写真力のバトル。ぜひ自分自身をその中に浸して、タイトル通りの圧倒的な「写真力」を感じてみてください。


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メディアからの質問にも、ジョークを交えながらひとつひとつ丁寧に答えてくださいました。

 

ホームページをご覧の皆様へPRESENT!☆☆☆

博多リバレインのホームページをご覧の皆様へ『篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN』の招待券を抽選でペア5組にプレゼント致します!下記リンクのお問い合せフォームより「篠山紀信展 写真力 招待券プレゼント」と「ご住所」をお問い合せ内容に記載の上送信をお願い致します。
ご応募締切は、平成29年1月15日(日)24:00までの送信分が有効となります。
当選の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。

ご応募こちら → http://riverain.co.jp/contact/

たくさんのご応募お待ちしております。☆☆☆

 

 

『篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN』

〇日程=  2016年12月18日(日)〜 2017年2月12日(日)
〇開館時間=10:00〜20:00 ※最終日は18:00まで
〇休館日=  毎週水曜 ※2016年12月26日(月)〜 2017年1月1日(元日)
〇会場=福岡アジア美術館 企画ギャラリー
〇観覧料=大人1,100円、高大生900円、小中生500円
〇問い合わせ=読売新聞西部本社 事業部  092-715-6071