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Monthly Report! topics & recommend! vol.53【ザ!博多座セレクション/博多座】

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Monthly Report

8月の博多座は、選りどり見どり!

◯8/2(木)〜9/2(日)


 

1カ月間の長期公演が基本の博多座ですが、8月はさまざまなジャンルの短期公演を厳選した「博多座セレクション」で百花繚乱! そこで今回は古典芸能関係を特別に2本セレクト!日本の古典芸能の醍醐味に触れる公演「極」の藤間勘十郎さんと、古典芸能をも笑いに変える『其礼成心中(それなりしんじゅう)』の作・演出を手がけた三谷幸喜さんからのメッセージを一挙掲載!

 

「極」KIWAMI~古典芸能の世界〜

〜藤間流宗家 藤間勘十郎さん~

 

●まずは、おさらい!

日本の伝統芸である能・狂言、歌舞伎、舞踊の名人、人気俳優が博多座の『「極」―古典芸能の世界』公演で至芸を披露。人間国宝の能楽師で新作能にも意欲的な梅若玄祥改め四世梅若実をはじめ、古典の芝居を斬新に演じる歌舞伎俳優の市川猿之助、藤間流宗家で舞踊・振付に才能を発揮する藤間勘十郎、そして人間国宝で狂言界の重鎮・山本東次郎が、神髄を極めた芸を披露!

 

——古典芸能の“至芸”を集めた今回の公演ですが、演目はどのように選んだのでしょうか?

今回の演目は、この博多座という空間に合った作が良いのではないかとまず考えました。『一角仙人』という演目は歌舞伎十八番の『鳴神』の大元になったもので、すごくスペタクル性がある作品。普段は能舞台で演っているものを博多座の空間に置き換えて、道具も音楽も博多座特別バージョンとでもいいますか、そんな博多座だけの『一角仙人』を作ろうと思っています。

 

——その物語性も、魅力のひとつですね

はい。一角仙人というのは鹿の胎内から生まれたために角が生えている仙人なのですが、「三千世界」の龍神たちと争って、神通力で岩屋に封じ込めてしまうんですね。それで数年間雨が降らず、困った帝は後宮にいる旋陀夫人(せんだぶにん)という最高の美人を、道に迷った旅人のふりをさせて仙人の住む深山に送り、誘惑させて力を奪おうとしたのです。夫人が酒を勧めると、初めは断る仙人でしたが、やがて夫人の誘いに負けて、酔いつぶれてしまいます。すると、龍神を封じ込めた岩屋が激しく鳴動し始め、「一角仙人よ、人間に交わり煩悩の酒に酔いつぶれて神通力を失った、報いを思い知れ」と中から声が響きます。大岩は四方に砕け飛び、閉じ込められていた龍神たちが飛び出します。仙人を倒した龍神は大雨を降らせて洪水を起こすと、その白波に飛び乗って龍宮へと帰っていく。という話です。

実は私の父親(四世 梅若実)が、まだ4歳の私の子と一緒にやりたいと言うんです。龍神の役は子方(子ども)がやる役なんですけども、こういう機会でもないとなかなか大きな舞台に立つこともないだろうと思い、父が全責任をもってくれるんならやりましょうということになりました(笑)。龍神は、要はアニメ「ドラゴンボール」の神龍(シェンロ ン)みたいな感じですね(笑)。シェンロンは1匹ですけど、こちらは3体出る。ウチの子と2体の龍の3体です。能には「橋掛かり」(能舞台で揚幕から本舞台へとつながる長い廊下)というものがありますけど、博多座には花道という歌舞伎の特殊な機構がありますので、この空間に合った超大スペクタクルなものを、と考えています。

 

——夜の部の新作能「紅天女」はご存じ、マンガ「ガラスの仮面」をお父様が能に仕立てられたものですよね?

 はい。最初、僕が「能は『一角仙人』でどうですか」って持ちかけた時に、もう一作品に「『紅天女』は?」って父の方から言ってきまして。能を知らない方でも「ガラスの仮面」の『紅天女』をやるというと足を運んでくださるようで。博多座の舞台でも、真ん中に桜の作り物みたいなものを置くのですが、それだけでもって表現していく。そういう意味では『一角仙人』とは正反対。こちらは「動」であれば、こちらは「静」。純粋な“能をベースにした新作”になっています。

父もこれだけ自分で主張するのですから、本人の中では完成度が高い新作なのではないのでしょうか。今や「新作能」はあたりまえになっていますが、それを最初に始めたのは父の年代の人たちです。セリを使ったり、スッポンを使ったり、廻り舞台を使ったりと、いわゆる劇場空間に充てた能は、父の最初にやっていた新作能の始まりでした。そういう意味では、博多座の空間でこの『一角仙人』『紅天女』の二作品をできることは、父もある意味、自分の原点を観ていただきたいような気持ちなのではないでしょうか。

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藤間勘十郎さんの父・梅若実さんがマンガ「ガラスの仮面」をきらびやかな新作能として仕上げた『紅天女』。

 

——「狂言」についてはいかがでしょうか?

新作能がある一方、「狂言」は、もう真っ向勝負なものと言いますか。今で言う長編コントみたいなイメージがあると思うんですけど、山本東次郎先生の狂言はそれとは一味違う!終わった後に考えさせられるような、ある意味、お客様に媚びないというか、笑わせるだけが本当ではないというものを、私は先生の作品から感じられます。

 

——最後、「舞踊」について教えてください。

まず『種蒔三番叟』は、「三番叟もの」(能の『翁』を三番叟の部分のみ舞踊化したもの)で、私たちの言うべき古典芸能、舞踊の原型です。自分が子どものころに、祖父・六世勘十郎と猿之助さんの曽祖父、二代目の猿之助さん、このお二人がおやりになっている映像がありまして。祖父って自分の映像を見るのが好きじゃなかったんですが、その祖父が自分の作品を見て、「ああ、このころは私もうまく踊れていた」、と言った作品の一つなんですよ。それで僕もいつかこの『種蒔三番叟』をやるんだったら、(当代の)猿之助さんとやりたいと。3、4年前に念願叶ってやっと二人でやる機会ができました。僕がまず猿之助さんに何か一緒にやってもらえませんかって言ったときに彼の口からも「三番叟?」っていうふうに、二人ともいつかこれをやろうと思っていたようです。で、初演が終わった後に猿之助さんが珍しく自分から「もう一回やろう、もう一回」って言ってくれたので、もう1回やったんです。3回目なんです、今回で!

この公演の「極み」を“目指す”という意味で、この作品は序幕にやりたいと思っています。“至芸”なんですよ、そこを目指す二人の。やり続けていつかああいう風になるんだ、極めてやろうじゃねえかということで、彼と二人でいつかそういう風になっていたらいいなという思いがあります。

 

——最後の「吉野山」は名曲ですよね。

 (義経)千本桜といえば、猿之助さん!というイメージがあります。私も何遍もこの吉野山ってものは数えていただいてますし、これは(佐藤)忠信(実は狐)と静(御前)という登場人物がいるんですけど、今まで何遍も二人でやっているので、ある程度私たちの手に入ったものを見せるというのかな。初めてやるときの緊張感の面白さ、至芸に向かって行こうという意気込みというものもあるんだけど、そうではなくて、何遍もやってる役で見せる良さというものもあると思うんです。今回は猿之助さんが忠信、私が静御前という配役でやろうと思っております。

至芸

市川猿之助丈と藤間勘十郎丈の「極み」を目指す二人が「至芸」を披露する。

 

——では、最後に!古典芸能に触れるのが初めてという方にアドバイスをお願いします!

勉強して観るんだったらエンターテインメントにならないじゃないですか。内容はわかんなくてもいいんです。面白いか、つまんないか。すげえな、踊り!すげえな、お能!これが狂言なんだ!今まで見てたのは何だったんだろう!って考えさせられるような人もいるかもしれないし。予備知識は『wikipedia』に載ってることで十分。 逆に言うと、そういうことを理解して欲しい訳じゃなくて、何がすごかった、っていうのを見せられる人間国宝の二人がいて、それに向かってお客様たちに面白さを伝えようとか、踊りっていいなあ、優雅だなあって思っていただけるような、なかなか面白かったなって思ってもらえれば、それがこの公演の良さじゃないでしょうか。いろんな古典芸能の側面を披露できる、私たちにとりましてもありがたい企画です。

 

「極」KIWAMI~古典芸能の世界

8月30日(木)昼の部11:00/夜の部15:30

A席12,000円/B席9,000円/C席4,000円

昼の部
舞踊『種蒔三番叟(たねまきさんばそう)』清元連中
出演:市川猿之助、藤間勘十郎

狂言『武悪(ぶあく)』
出演:山本東次郎 

能『一角仙人(いっかくせんにん)』
出演:梅若  

夜の部
原作・監修=美内すずえ
脚本=植田紳爾
演出・能本補綴=梅若六郎
国立能楽堂委嘱作品

能『紅天女(くれないてんにょ)』
出演:梅若  

狂言『素袍落(すおうおとし)』
出演:山本東次郎 

舞踊『吉野山(よしのやま)』清元連中
出演:市川猿之助、藤間勘十郎

 

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三谷文楽 in博多 『其礼成心中(それなりしんじゅう)』

〜作:演出 三谷幸喜さん~

8月17日(金)15:30・18日(土)11:00/15:30・19日(日)11:00

A席9,500円/特B席7,000円/B席3,000円

 

ドラマに、映画に、舞台にと、いろんなジャンルで大活躍の売れっ子脚本家・三谷幸喜が日本の伝統芸能・文楽に挑んだ意欲作。自ら、書き下ろし、演出を手がけた。時は元禄十六年。大坂では近松門左衛門が実際の心中事件を元に書いた『曾根崎心中』が大ヒット。その舞台になった天神の森は、悲恋の末に心中を遂げようとする男女の心中のメッカとなっていた。その森の入り口にある饅頭屋の夫婦と心中にやってくる男女の物語。

 

——三谷さんが“文楽”を手がけようと思われた理由、また、その魅力を教えてください。

 今回僕が作ったのは「其礼成心中」という文楽です。文楽ってみなさん、そんなに馴染みはないかもしれないですけど、人形劇でしょ、みたいな感じで思ったら大間違いです。本当に面白いです。僕も実は最初ね、本当に面白いのかな、みたいな思いがあって、初めて観たとき、もう、びっくりしました。まずね、人形たちが健気なんですよ。胸に迫る、あんな小ちゃい奴らが一所懸命生きてるみたいなそんな感じがしまして、しかも人形だけじゃなくて、太夫さんの語りも素晴らしいし、三味線の音も本当に素敵だし、日本人に生まれて良かったなあと、そんな素敵なものがたくさん溢れてる文楽。しかも僕が書いてますから、もちろんコメディです。こんなに人形に笑わされるのか、みたいに思ってもらえるんじゃないかなと思います。ぜひとも文楽まだ観たことがないという方がいらっしゃったら、ぜひともちょっと観てみてください。三谷文楽「其礼成心中」、おすすめです!

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ドラマに、映画に、舞台にとマルチに活躍する三谷幸喜が古典芸能でも笑わせてくれる!

 

 

今回は長編インタビューでお届けした8月の博多座セレクション。いかがでしたか?

百聞は一見に如かずです、暑さを吹き飛ばしに、ぜひ博多座へ足をお運びくださいませ!

 

○問い合わせ=博多座電話予約センター
(電話)092-263-5555