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2014.08.07

Monthly Report お知らせ

Monthly Report! topics&recommend! vol.5【リバレイン専門店街】

リバレインには昔ながらの“商店街”がある!

リバレイン専門店街 老舗ストーリー


 

巨大なショッピングセンターやファッションビルなんてなかった昭和30年代以前の博多。

日々の暮らしは、「商店街」に軒を並べるそれぞれの生業の店が支えていました。

商人のまち・博多でも、今や「個店」は少数派。

しかし「博多リバレイン」その一角には、今でも老舗ののれんを守る商店街が生きています。

昔から博多の人々に愛されてきた
旧下川端商店街、 旧川端商店街、 旧寿通り商店街の

一部の店鋪で構成されている「リバレイン専門店街」。

花屋さん、床屋さん、たばこ屋さん、おそば屋さん、洋服屋さん…ただの商店街と思ったら大間違い!

ひとつひとつの「老舗」には歴史とドラマがぎゅっと詰まっていました。

 

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たばこプラザおくむら

九州一円で唯一!

圧巻のシガールームを持つ「たばこ屋」さん

ふつうの“たばこ屋さん”かと思いきや…

一歩店内に入ると、そこには国産たばこはもちろん、世界の紙巻きたばこ・パイプ・シガーの充実した品揃え!それはもう圧巻!とくに、有賀店長(写真)の後ろにあるそのシガールームは温度、湿度管理が徹底管理され、キューバ産やドミニカ産など数百種のシガーがズラリ!「最近のおすすめは、このガラス瓶に入ったキューバ産<UP MANN>です」と、店長の有賀さん。お値段は1本3700円!

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店にいる間、シガー紳士や若者ビギナーが次々にこのシガールームに吸い込まれていきます。その慣れた感じもなかなか粋です。「とにかく興味を持ってあれこれ吸ってみることです。そのうち香りがわかってきます」とは、当店会長の奥村忠夫さんだ。「私が13代目、奥村利助です」。え?13代目?ってことは、江戸時代創業なんですか?…

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すると、奥から古い記録を綴じた一冊の本を取り出し、取材班に見せてくれた。そこには当店の創業が慶長13年(1608年)であること。初代「奥村利助」は黒田官兵衛と一緒に播磨より中津へ、さらには福岡に移り住んだ元武士だったということ。代々の先祖には藩の御典医など医者という生業も。福岡では博多の豪商の一人、大賀宗久の商いに加わり貿易商(勘合貿易)に転向したこと。その際、ルソン、安南、カンボジア、マカオなど東南アジアから大量の煙草葉を仕入れ、きせる用のきざみ煙草に加工することで商売を始めたことなどが書かれています。なんと、老舗中の老舗!その歴史のすごみに驚くばかり。

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「今はこの12坪の店が、ゆとりとくつろぎを楽しんでいただけるお客様のための広場になってくれることを願っています」と、会長。1000種類を超えるたばこからお気に入りを探す楽しみを提供してくれています。吸煙装置付きのテーブルでは有賀さんたちスタッフが、道具のこと、手始めの1本など、手取り足取りシガーの嗜みも教えてくれるとのこと。ぜひ、この大人の遊び場へ。

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営 業   10:30 〜 19:00
定休日   日曜
所在地   博多座・西銀ビル1F
電 話   092-281-1144
U  R  L   http://www11.ocn.ne.jp/~tpo/
 

 

仁伊島総本店

うどん天国だった福岡博多に

江戸前蕎麦を初めてもたらした「蕎麦屋さん」。

 ふつうの“お蕎麦屋さん”かと思いきや…

 「饂飩蕎麦発祥の地」。博多の承天寺にはその碑があります。博多は日本の麺どころ、発祥の地です。しかしさかのぼること100年、当時の博多で食べられていた麺はうどんばかりだったといいます。そう教えてくれたのは4代目当主の新島一弘さん。現在、5代目(写真左)と一緒に現役バリバリで店に立つ大将です。

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1911年。現大将の曾祖父さんは当時、豆腐屋を営んでおり、豆腐づくりのための機械を東京に時折買い出しに行っていたとか。その際、東京で蕎麦屋が繁盛していたのを目の当たりにしたそうです。「蕎麦屋は博多では新しか」と、息子(現大将の祖父)を東京の蕎麦屋に修業に出したといいます。その祖父さんが帰福後開いた店が「仁伊島」のはじまりです。店内に当時の丼セットが飾られていました。時代を物語っています。

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「当時は継いだ父も“東京生そば”という看板を出していましたが、今でこそ洒落た蕎麦屋はいっぱいある。ならば、やはり饂飩蕎麦発祥の地・博多らしく、博多の蕎麦屋であるべきだと、その看板は父の代で終わりに。少し辛めの味付けも、蕎麦を酒で嗜むスタイルも私の代からです」と、大将。商人の町らしい進取の気質は代々ゆずり。一方で、添加物を一切使わず、昔ながらの製法と自然素材にこだわり、伝統の味を守り続けてきたそば・うどん・丼物の博多の老舗です。(写真は夏限定の人気メニュー、冷やし梅おろし蕎麦900円)

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営 業  11:00 〜21:00 L.O.※19時以降は蕎麦がなくなり次第閉店
定休日  日曜
所在地  博多座・西銀ビル1F
電 話  092-291-2140
 

 

 

花のタカキ

福岡で唯一、小原流の「花屋さん」。

ほかにはない自然の草花がいっぱい!

ふつうの“花屋さん”かと思いきや…

「小原流花材調達協力店」。これってなんですか?の問いに、店主の神代律子さんは柔らかい笑顔でこう答えてくれました。「生け花にはいろんな流派がありますが、ひとことでいえば、小原流は花だけでなく、木、茎、草など自然の花材を多く用い、現代の暮らしの中に自然の生け花を提案するスタイルです」。

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なるほど。それで店内には、ふつの花屋さんにある「花」以外に、草花も多いんですね。その一角だけちょっと深呼吸ができそうな感じ、小さな森があるかのようです。もちろん、花束・アレンジ・切花など各種豊富な品揃えも万全。

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生業の原点は戦前の昭和10年。律子さんの義父さまが旗揚げし、お母様と所帯を持たれてからは二人三脚でリヤカーで花を売ったり、当時にぎわっていた料亭に花の生け込みをしたりと、やはり「花」で商いをされていたそう。「現在は息子に代替わりしましたが、こうして店に立つ日も多く、小原流の福岡拠点として生け花教室(ホテルオークラ福岡ビル内等)も経営しています。初心者の方でも大歓迎ですのでぜひお越しください」。福岡唯一の小原流の拠点、ぜひ。

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営 業  8:30〜20:00、日祝日9:00〜18:00
定休日  1/1、1/2のみ
所在地  リバレインセンタービル1F
電 話  092-271-7087 

 

 

ヘアーサロン ツツヰ

エステに漢方…女子が喜ぶワード全開!

女性こそ通いたい「床屋さん」。

ふつうの“床屋さん”かと思いきや…

 「私、5代目です」。歴史を物語るにはそれだけで十分、大将の筒井さんは山笠男らしく一本気ながら、気さくな雰囲気で出迎えてくれました。ところが取材中、常連さんが次々に訪れ、そのまますうっと“定位置”に。「短くするでしょ」「そやね」、お客さまとも阿吽の呼吸。そんなやり取りにも愛される老舗の証を垣間みた次第。

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「気軽にお越しいただける家庭的なサロンです」と、奥様。気になっていたのは看板にある「和漢カラー」「女性シェービングエステ」の文字。床屋さんて男性イメージですが、なんとここは意外に女性顧客が多いそう。「ヘナより安全な和漢、つまりトウモロコシや小麦粉など自然素材・漢方の成分を用いた白髪染めをやっているんです(ショートヘア5300円)」。退色せず、臭わないとのこと。またエステ(2100円)のあとにシェービングを行うシェービングエステ(5200円)も。実際、女性のリピーターも多いとか。これは要チェック!

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営 業  9:00〜19:30
定休日  月曜・第3日曜日
所在地  リバレインセンタービル1F
電 話  092-281-0312(予約有)
 

 

婦人服ロビン

上質って、物を買うって、こういうこと。

そのすべてを教えてくれる“お服屋さん”。

 ふつうの“お洋服屋さん”かと思いきや…

 ファストファッションがブームの今、いかにトレンドのデザインか、いかにほかより安いか。そんなモノサシが主流、ですよね。でも、どれも同じようなスタイルに見えたり、1シーズンで終わりなクオリティってどうなの?…そんなことに気づかせてくれるのがロビンです。

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「流行にとらわれず、年を重ねるごとに着やすくなる上質な服」がコンセプトのレディースショップ。素材や仕立てへのこだわりが伝わる商品が所狭し。しかしどれも、袖を通せば着心地のよさを感じられ、身体に添う丁寧な仕事(裁縫)が一瞬にしてわかる服ばかり。何気ないワンピースに見えて、これ、248400円!間近で見るとその質感、ディテールのすごさに感嘆のため息です。

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「ここはもともと紳士服の仕立て屋なんです。紳士の仕立屋だった戦友と現社長のお父さまが始められたのですが、時代は戦中戦後をまたいで日本が焦土の地から立ち上がろうと、活力を振り絞っていた時代。神戸横浜など米兵の多い地のガード下で仕入れた品を博多に持ち帰り、商いにしたのが原点のようです」とは、店長の小林陽子さん。時にメンテナンスを所望のお客さまもいらっしゃるようで、取材中にもお一人。小林さん、すかさず店内の応接ソファで、針と糸でメンテナンスを始めました。買うだけでなく長くちゃんと着ていただくための努力とサービス、そんなリクエストに応えやすいサロンのようなくつろぎの設えを施した店内…。ファストファッションとは対局にある、何かを見た気がしました。

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営 業  11:00〜19:00
定休日  火曜
所在地  ホテルオークラ福岡ビル1F
電 話  092-271-5262
 

 

 

いかがでしたか?

 紹介した店は現代のトレンドとは無縁のように見えても、時代を超えた底力と、あくまでお客様第一の目線、何より、受け継いだ伝統を大切にしたいという心意気を感じられる店ばかり。ビルとビルの谷間で、なんだか「博多っ子気質」が連なる商店街。ずっとずっと永遠にあって欲しい。そう願ってやみません。

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